10代の頃に文春文庫の「東西ミステリーベスト100」で知って、読んでみてハマった作品です。
江戸時代を舞台にしながらも内容は本格ミステリ。
とても面白い!
好きな理由のひとつにはキャラクターの設定があります。
以下長いですが、真面目な話ではないです。
このシリーズは、なめくじ長屋に住む乞食の大道芸人たちが正義ではなく金のためにチームで行動して、砂絵のセンセーが謎を解く話。
捜査のために女の姿をした人物が必要なことがあって、それ担当がひとり芝居をする女形。顔はまあいいみたいなんだけど、書かれた時期的なものもあってあまりいい描写はされていない。
で、彼はセンセーが好きで、垢を落とすためにセンセーが裸になるとたくましさに思わず抱きつくくらい。
そしてメンバーはまあ相手にしてくれる女なんかいないわけで、あるメンバーは女形を安い金で合意の上であれこれなんですね。ボロ長屋だからみんなに聞こえているわけなんですね。
好きな男がいるのに、金で他の男の相手をして(でもまんざらでもない)女装の青年?(町娘に化けられるレベル)
いいじゃないか…
しかし乞食芝居と言えど、弁天小僧や桜姫を演じて小金を得ているということは、演じる側も見る側もそれを知っているということ。江戸の庶民はそういった基礎知識があったんですよね。