※Xポストをまとめたものです
どこかで黄金仮面はアルセーヌ・ルパンの息子(ジャン)と聞いた。
だからルブランの書いた「怪盗紳士」と乱歩の書いた「ルパン」には異なる点があるのだと。
北村想や平山雄一の作品、そして回路Rの朗読劇では黄金仮面の部下に遠藤平吉がいたことになっている。


松岡圭祐のこの作品では55歳のルパンがフランスにいた不二子と出会う。
黄金仮面は何者か。
何故黄金仮面は不二子を籠絡しようとするのか。
ジャンはどうしているのか。
人を殺さない主義のルパンは日本人の命をどう思っているのか。
エルロック・ショルムスとシャーロック・ホームズの関係。
「なるほど」な答えが書かれていた。
そしてルパンと宿敵の対決。
読み応えがあった。
55歳のルパンが若い女性に情愛を抱いた。
出会った平吉の下宿に住んでおでん食べたり奇術を教えたりする。
平吉は最終的にああなるんだけど、ラストシーンはさわやかな印象。
なんだけど日本や世界がこの後どうなるかは歴史の通り
恐慌は農村にも影響を与えたというのは、この前横溝の「悪魔の手毬唄」読み返したからあぁぁとなった…
話全体が乱歩作品でなんで?という点の答え合わせ的なものがあるけれど、乱歩あるあるな「お前は実は赤ん坊の頃にすり替えた俺の子だ」と聞いて、よし実親の仇だから育ての家族全員殺す!となるか?というのも、 実はこいつはお前の息子ジャンと知ったルパンにそれを見せつけるのかとなるのがね… そしてルパン女たらしだから文代を会わせたくないなーと思う明智の心境よ。
この話では、明智が江戸川乱歩に事件の話を聞かせて本になっているので 明智が「黄金仮面の真実」を語らないと乱歩の本にはならない設定。
ホームズ譚はドイルが、ルパン譚は筆が遅いルブランが、明智譚は乱歩が聞いて書いている。
だから本に書かれたものが100%の真実ではないのか。

